【税理士解説】交通費を立替請求した場合の消費税の取り扱い。請求書の書き方も

取引先への交通費の請求 消費税の取り扱いは 消費税

「取引先に請求する交通費の消費税の取り扱いは?」
「請求書にはどのように記載すればいい?」

「インボイス制度開始後の請求書の書き方は?」

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。

今回は、業務委託や外注により取引先に交通費を請求する場合の消費税の取り扱いについて解説します。

記事の後半では、インボイス制度開始後の請求書への交通費の書き方について、適格請求書の記載事項に沿って具体的に解説しています。

この記事で解決できること

・交通費を請求する場合の消費税の取り扱い
・請求書に記載する交通費の計算方法
・インボイス制度開始後の交通費の請求書への書き方

この記事の信頼性

この記事を書いている私は現在世界四大税理士法人に勤務しています
現職の前は2つの中小規模の税理士法人に勤務していました
私がこれまでに得た知識を基に解説しています

交通費を請求する際の消費税の取り扱い

業務委託や外注により作業した際に発生した、作業場までの交通費や宿泊費は取引先に請求することになります。

立替交通費等を取引先に請求する場合ですが、消費税は課税売上として処理します

交通費の立替のようなものだから、仕入れのマイナスや消費税不課税取引にはならないの?

業務委託や外注による役務提供額は、業務の遂行に関連して依頼者から支払を受ける一切の金銭を含みます

なので、たとえ立替金処理をしていても交通費を含めた全額が課税対象となりますのご注意ください。

ただし、この立替経費を消費税対象外として処理する方法もあります。

業務に係る請求書とは別に、「交通費や宿泊費に係る請求書」及び「立替金精算書」を取引先に交付した場合には、単なる経費の立替として取り扱われるため消費税対象外として処理します。

また、取引先が納めるべき登録免許税等を立替払いした場合には、消費税対象外として請求します。詳細は下記基本通達をご参照ください。

事業者が課税資産の譲渡等に関連して受け取る金銭等のうち、当該事業者が国又は地方公共団体に対して本来納付すべきものとされている印紙税、手数料等に相当する金額が含まれている場合であっても、当該印紙税、手数料等に相当する金額は、当該課税資産の譲渡等の金額から控除することはできないのであるから留意する。(注) 課税資産の譲渡等を受ける者が本来納付すべきものとされている登録免許税、自動車重量税、自動車取得税及び手数料等(以下10-1-4において「登録免許税等」という。)について登録免許税等として受け取ったことが明らかな場合は、課税資産の譲渡等の金額に含まれないのであるから留意する。
消費税法基本通達 10-1-4 印紙税等に充てられるため受け取る金銭等

立替交通費の消費税の取り扱いは、国税庁のこちらのサイト「国税庁:実費弁償金の課税」にも記載されています。

ホテルが客やコンパニオンの交通費を立て替えた場合

ホテルが宿泊者や宿泊者が呼んだコンパニオンの交通費を立て替えることがあります。

この場合のホテルの立替交通費は、消費税対象外で処理します。

立替交通費は、課税売上になるんじゃなかったっけ?

ホテルが、宿泊者やコンパニオンの交通費を立て替えた場合、役務の提供を受けるのはあくまで宿泊者ですのでホテル側では課税売上に該当しません。

ただし、立て替えた交通費に立替手数料として利益を上乗せして請求した場合には、宿泊者に請求するその全額が課税売上に該当しますのでご注意ください。

国税庁のこちらのサイト「国税庁:ホテルの客のタクシー代の立替払」でも解説されています。

交通費は内税 消費税の計算方法

交通費に係る消費税の計算方法は、注意が必要です

公共交通機関の電車やバス、タクシー等の交通費は、消費税内税となっています

消費税内税?

消費税内税とは、支払った金額に消費税が含まれているということです。

したがって交通費の消費税額を計算する場合は、下記の算式で計算します。
(支払った交通費の金額/1.1)×0.1

例えば交通費を500円支払った場合、交通費の税抜金額は455円、消費税額は45円となります。
(500/1.1)×0.1=45円

インボイス制度開始後の交通費の請求書への書き方

続いて、インボイス制度における交通費の請求書への書き方を解説します。

インボイス制度開始後は、交通費を記載した適格請求書の発行が必要です。

適格請求書は決まった様式があるわけではありませんので(下記国税庁のインボイスQ&A問25参照)、必要な記載事項を漏れずに記載すれば請求書の書き方を過剰に気にする必要はありませんよ。

問 25 適格請求書の様式は、法令又は通達等で定められていますか。
【答】
適格請求書の様式は、法令等で定められていません。適格請求書として必要な次の事項が記載された書類(請求書、納品書、領収書、レシート等)であれば、その名称を問わず、適格請求書に該当します。
① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号
② 課税資産の譲渡等を行った年月日(※)
③ 課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容(課税資産の譲渡等が軽減対象課税資産
の譲渡等である場合には、資産の内容及び軽減対象課税資産の譲渡等である旨)
④ 課税資産の譲渡等の税抜価額又は税込価額を税率ごとに区分して合計した金額及び適
用税率
⑤ 税率ごとに区分した消費税額等
⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称
※ 課税期間の範囲内で一定の期間内に行った課税資産の譲渡等につき適格請求書をまとめて
作成する場合には、当該一定の期間を記載することができます。

適格請求書の記載事項の内、「① 適格請求書発行事業者の氏名又は名称及び登録番号」、「⑥ 書類の交付を受ける事業者の氏名又は名称」は特に迷うことはありません。

あなたの氏名又は法人名と取得した登録番号、取引先の名称を記載してください。

その他の記載事項については、次のとおりです。

課税資産の譲渡等を行った年月日

交通費を支払った年月日を請求書に記載しましょう。

原則は日付の記載まで必要ですが、注意書きにもあるように一定期間の記載も認められています。

月ごとに請求書を発行する場合は、「〇〇月分」と記載しても問題ありません。

取引内容

取引内容は交通費ですが、請求書に「交通費」とだけ記載するよりは、どの区間の移動に係る交通費か記載してあげるとより丁寧です。

税込金額または税抜金額

税込金額で記載するか、税抜金額で記載するかは好きな方を選択できます。

注意点としては、前章で説明したように交通費は基本的に消費税内税となっています。相手に二重で消費税を請求しないよう注意してください。

もなた
もなた

交通費の税抜金額は、支払った交通費から1.1を除した金額ですよ。

税率ごとに区分した消費税額等

交通費であれば、消費税率は10%ですので、10%の消費税額を記載しましょう。

以上、インボイス制度開始後の交通費の請求書への書き方でした。

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もなた
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まとめ

今回は、取引先に請求する立替交通費の消費税の取り扱い、請求書への記載方法を解説しました。

立替交通費は不課税取引と勘違いしがちですが課税売上に該当します。実務では間違えずに処理をしてください。

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