動画制作費は資産計上が必要か?

動画制作費は資産計上が必要 法人税

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動画制作費の会計処理、どうすればいいの?

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回は、こんな疑問にお答えします。

動画制作費は、広告宣伝費として一括費用処理するのか、それとも資産計上して減価償却するのか、判断に迷うことも少なくありません

本記事では、動画制作費の具体的な分類方法や勘定科目の選び方についてわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

・20代税理士
・世界4大税理士法人勤務経験有
・税金やお金に係るお得な情報を発信中

動画制作費の資産計上の有無

動画制作費といっても内容は様々ですので、資産計上が必要かどうかは取引の契約内容を踏まえ、勘定科目の妥当性・費用化の期間等について判断する必要があります

動画制作費に一般的に使われる勘定科目としては、次のようなものがあります。

広告宣伝費

商品PR等を目的とした動画の制作費用は、「広告宣伝費」として処理されることが多いです

これは、制作した動画というのはその性質上,費用効果の及ぶ期間の測定がきわめて困難である上、場合によってはごく短期間のうちに費用効果が失われるものが多いと考えられるため、支出時に一括して損金にするという考え方によります。

この考え方は、法人税法基本通達7-1-10(社歌やコマーシャルソング等)からきています。

社歌、コマーシャルソング等の制作のために要した費用の額は、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
法人税法基本通達7-1-10:社歌、コマーシャルソング等

ただし、広告宣伝費として処理する場合において、動画を複数年に渡って使用する場合など、費用効果の及ぶ期間が明確なものについては、その効果の及ぶ期間に合わせて期間配分して費用処理する必要があります。

減価償却資産

動画制作で作成したDVD、映画フィルム、磁気テープ及びレコードのように有形物がある場合は、減価償却資産として資産計上します。

耐用年数表の「器具及び備品_11前掲のもの以外のもの」に該当し、耐用年数2年で償却します。

有形物があるもの以外は、その処理方法が条文で明らかにされていないため、個々に判断する必要があります。

基本的に動画データは無形のため、減価償却資産には該当しないと言えるでしょう。

無形固定資産

動画制作費用の中に、商標権のような無形固定資産の対価が含まれていれば無形減価償却資産として減価償却が必要です。

また、一般的な動画であれば、プログラミングは施されていないため、「ソフトウェア」には該当しないと考えられます。

ソフトウェアは法人税法上で規定されていませんが、会計基準を参考にすると「コンピューターに一定の仕事を行わせるためのプログラム等」と定義されます。

参考:「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針

繰延資産

動画制作費用の中に、広告収入を得るために必要な権利金的等が含まれている場合は繰延資産に該当すると考えられます。

また、動画の使用期間が1年以上に及ぶのであれば「繰延資産」への該当性を検討する必要があります。

繰延資産は、「前払費用」と混同されることが多いですが、違いは次の通りです。

□繰延資産と前払費用の違い
・繰延資産:役務の提供をもすでに受けており、代金の支払も済んでいるにも拘らず、その効果が将来に及ぶもの
・前払費用:継続的に役務の提供を受けるために支出された費用で、いまだ役務の提供を受けていない部分に対応するもの

税務上の繰延資産は広範囲にわたるため(法令第14条第1項第6号ホ)、支出した費用が繰延資産に該当するかどうかの判断は,個々の取引内容ごとに支出の目的や効果を勘案して行います。

 法第二条第二十四号(繰延資産の意義)に規定する政令で定める費用は、法人が支出する費用(資産の取得に要した金額とされるべき費用及び前払費用を除く。)のうち次に掲げるものとする。
六 前各号に掲げるもののほか、次に掲げる費用で支出の効果がその支出の日以後一年以上に及ぶもの
イ 自己が便益を受ける公共的施設又は共同的施設の設置又は改良のために支出する費用
ロ 資産を賃借し又は使用するために支出する権利金、立ちのき料その他の費用
ハ 役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用
ニ 製品等の広告宣伝の用に供する資産を贈与したことにより生ずる費用
ホ イからニまでに掲げる費用のほか、自己が便益を受けるために支出する費用
法人税法施行令第14条第1項第6号:繰延資産の範囲

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まとめ

今回は、動画制作費の会計処理方法について解説しました。

動画制作費は、勘定科目や資産計上の要否など、専門的な知識を要するポイントが多く含まれます。

この記事を読んでさらに詳しく知りたいと感じた方や、自社のケースに当てはめて具体的なアドバイスを受けたい方は、専門家への相談を検討してみてください。

些細な疑問でも、プロの視点からスッキリ解決できます。

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