【税理士解説】法人税法基本通達9-1-14

法人税法基本通達9-1-14 法人税

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こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。

今回は、「法人税法基本通達9-1-4:非上場有価証券等以外の株式の価額の特例」について解説します。

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法人税法基本通達9-1-14

法人税法上、市場有価証券等以外の有価証券の評価を行う場合において、財産評価基本通達に準じた評価を行っている場合にはこれを認めるとされています。

このことは、法人税法基本通達9-1-14に示されています。

ただし、財産評価基本通達による評価方法をそのまま法人税法上の評価額とすることについては若干の問題があるため、当該通達において3つの注意点が挙げられています。

法人が、市場有価証券等以外の株式(9-1-13の(1)及び(2)に該当するものを除く。)について法第33条第2項《資産の評価損の損金不算入等》の規定を適用する場合において、事業年度終了の時における当該株式の価額につき昭和39年4月25日付・直資56 直審(資)17 「財産評価基本通達」(以下9-1-14において「財産評価基本通達」という。)178から189-7まで《取引相場のない株式の評価》の例によって算定した価額によっているときは、課税上弊害がない限り、次によることを条件としてこれを認める。
(1)当該株式の価額につき財産評価基本通達179の例により算定する場合同通達189-3の(1において同通達179に準じて算定する場合を含む。)において、当該法人が当該株式の発行会社にとって同通達188の(2)に定める「中心的な同族株主」に該当するときは、当該発行会社は常に同通達178に定める「小会社」に該当するものとしてその例によること。
(2)当該株式の発行会社が土地(土地の上に存する権利を含む。)又は金融商品取引所に上場されている有価証券を有しているときは、財産評価基本通達185の本文に定める「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」の計算に当たり、これらの資産については当該事業年度終了の時における価額によること。
(3)財産評価基本通達185の本文に定める「1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)」の計算に当たり、同通達186-2により計算した評価差額に対する法人税額等に相当する金額は控除しないこと。
法人税法基本通達9-1-14 :市場有価証券等以外の株式の価額の特例

小会社として判定する

「中心的な同族株主」が保有する株式については、その発行会社を常に「小会社」に該当するものとして評価します。

発行会社が相続税法上「大会社」や「中会社」に該当する場合でも、法人税法上は「小会社」の評価方法で計算します。

法人税の立場からすれば、いかに発行会社が「大会社」に該当するとしても、中心的な同族株主が保有する株式を純資産価額方式を考慮しない類似業種批准価額のみで評価するのは疑義が生じるということです。

「小会社」の相続税法上の評価方法
次のいずれか低い価額
➀純資産価額方式
②類似業種批准価額×0.5+純資産価額×0.5

なお、類似業種批准価額方式を計算する場合の「斟酌割合」も「大会社」の0.7ではなく「小会社」の0.5として計算するのか?という疑問が生じます。

斟酌割合とは、下記類似業種批准価額の計算式で使用する割合です。

〇類似業種批准価額の計算式
➀1株当たり評価額 = A × {( b / B + c / C+ d / D)/3} × 斟酌率
「A」類似業種の株価
「b」対象会社の1株当たりの配当金額
「c」対象会社の1株当たりの利益金額
「d」対象会社の1株当たりの純資産価額
「B」類似業種の1株当たりの配当金額
「C」類似業種の1株当たりの利益金額
「D」類似業種の1株当たりの純資産価額

② ➀×1株当たりの資本金等の額/50円

これについては、斟酌割合についてまで「子会社」の0.5とするものではないことに注意しましょう。大会社であれば斟酌割合は、0.7で計算します。

なお、Lの割合は0.5で計算しますので混同しないようにしてください。

参考:国税庁「所得税基本通達の制定について

土地及び上場有価証券は時価評価

土地を時価評価するのは、相続税評価額と市場価額にはかなり乖離があるとされており、これを是正する目的があります。

上場有価証券については、時価が常に公表されていますので時価で評価することが求められています。

法人税等に相当する金額

純資産価額方式による評価額は、相続税と法人税で「法人税額等に相当する金額」を控除するかどうかが異なってきます。

純資産価額方式による評価額
・相続税法:評価差額に対する法人税等に相当する金額を控除
・法人税法:評価差額に対する法人税等に相当する金額を控除しない

まとめ

法人税において非上場株式の評価が必要な場合、基本的には財産評価基本通達に定める評価方法を準用することが可能ですが、一定の調整が必要ですので注意しましょう。

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