・カーリースの経費計上方法を教えて
・個人事業主だけどカーリース代は経費にできる?
・車の購入とカーリースを比較した場合のメリット・デメリットを教えて
こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回はこんな疑問にお答えしていきます。
カーリース代は、事業用に使用していれば経費計上が可能です。
また、車の購入ではなくカーリースにすることで次のようなメリットがあります。
・初期費用を抑えられる
・好きな車への乗り換えハードルが下がる
好きな車に乗れるとしたらどんな車に乗りたいですか?
この記事を読んでカーリース代の経費計上についてメリット・デメリットを理解して頂き、自分にあった方法で憧れの車を手にしてください。
・20代税理士
・世界4大税理士法人に勤務
・税金やお金に係るお得な情報を発信中
カーリースは経費計上が可能
カーリース代が経費計上可能かどうかについて、法人・個人事業主の別に解説します。
法人:カーリース代の経費計上
法人の場合、基本的にカーリース代は全額経費計上が可能です。
注意が必要なのは、リース車を事業用だけではなく役員や従業員に貸し付けてプライベートでも使用する場合です。プライベートでも使用する場合には、使用者から毎月一定の使用料を受け取る、又は貸し付けた従業員に対して給与課税する等の対応が必要です。
個人事業主:カーリース代の経費計上
個人事業主の場合、リース車の使用状況によって処理方法が異なります。利用状況3パターンに分けて経費計上が可能かどうか解説しましょう。
全て事業用として使用
リース車を全て事業用として使用する場合、カーリース代は全額経費計上が可能です。
事業用としてのみ使用するようであれば、事業収入を得るための必要経費として認められます。
全て個人用として使用
リース車を全てプライベート用として使用する場合、カーリース代は全額経費計上できません。
当然ですが個人事業主としてリース契約をしたとしても、プライベートのみで使用するようであれば経費計上はできません。
このような費用を所得税法上は「家事関連費」と呼びます。「家事関連費」は原則経費に計上できません。根拠条文を下記に引用しますが、興味のない方は条文は飛ばして読んでください。
一 家事上の経費及びこれに関連する経費で政令で定めるもの
所得税法 第45条第1項第1号 家事関連費等の必要経費不算入等
事業用と個人用で使用する
リース車を事業・プライベートのどちらでも使用する場合には、事業として使用する金額のみ経費計上が可能です。
「家事関連費」を必要経費とするには、次の2要件を満たす必要があります。
➀家事関連費の主たる部分が所得を生ずべき業務の遂行上必要である
②その必要である部分を明らかに区分することができる
根拠条文は下記のとおりです。
一 家事上の経費に関連する経費の主たる部分が不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務の遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合における当該部分に相当する経費
所得税法施行令 第96条 家事関連費
主たる部分に関しては「業務の内容、経費の内容、家族及び使用人の構成、店舗併用の家屋その他の資産の利用状況等を総合勘案して判定する。」とされています。
所得税法基本通達45-1:主たる部分等の判定等
また、家事関連費を必要経費とするためには経費の内50%超は事業用であることが望ましいですが、50%以下でも事業部分を合理的に区分できれば経費にして問題ありません。
業務の遂行上必要な部分
簡単に説明すると家事関連費の内、事業用の部分を合理的に区分できていればその部分に関しては必要経費にできるということですね。
なるほどです。カーリースの場合、合理的な按分方法とはなんでしょうか?
カーリースの合理的な按分方法は「走行距離・使用時間等」で按分する方法となるでしょう。
走行距離が一番合理的な区分ですが、実際に区分するのは大変です。そのため、使用日数や使用時間で按分することが実務的と考えます。
カーリースの経費処理方法
続いて、カーリースの仕訳処理を解説します。
カーリースはリース取引となりますが、税務上リース取引の処理方法は次の2パターンあります。
➀ファイナンスリース取引に該当する場合:資産計上して減価償却費で損金化
②オペレーティングリース取引に該当する場合:リース料を損金計上
リース取引が上記➀、②のどちらに該当するかは、次の2要件で判断します。
a.中途解約が可能か
b.フルペイアウトか
リース取引が「中途解約可能」であり、「フルペイアウトに該当しない」場合にはオペレーティングリース取引に該当し、リース料を費用処理することが可能です。
リース取引の税務上の取り扱いについて詳しく知りたい方は、次の記事をご参照ください。
それでは、「ファイナンスリース取引」、「オペレーティングリース取引」に分けて仕訳処理を解説します。
ファイナンス・リース取引
リース取引がファイナンスリースに該当する場合の仕訳は下記のとおりです。
リース契約時
借方勘定科目 | 借方税抜金額 | 貸方勘定科目 | 貸方税抜金額 |
リース資産 | 3,300,000 | リース債務 | 3,300,000 |
カーリースの契約時に、リース料の総額を「リース資産」勘定で資産計上します。貸方は「リース債務」勘定を同額計上します。
リース料支払時
借方勘定科目 | 借方税抜金額 | 貸方勘定科目 | 貸方税抜金額 |
リース債務 | 110,000 | 現金預金 | 110,000 |
リース料の支払時には、支払金額相当額の「リース債務」を取り崩します。
減価償却費計上
借方勘定科目 | 借方税抜金額 | 貸方勘定科目 | 貸方税抜金額 |
減価償却費 | 110,000 | リース資産 | 110,000 |
「リース資産」は減価償却費で費用計上します。この時、計上金額が税務上の限度額と差異がある場合には税務調整をします。
オペレーティング・リース取引
続いて、オペレーティング・リース取引に該当する場合の仕訳処理を、リース車の使用状況に分けて解説します。
全て事業用
法人、または個人事業主が全て事業用に使用する場合の仕訳は下記のとおりです。
借方勘定科目 | 借方税抜金額 | 貸方勘定科目 | 貸方税抜金額 |
リース料 | 100,000 | 現金預金 | 110,000 |
仮払消費税 | 10,000 |
オペレーティング・リース取引に該当する場合には、全額経費計上が可能です。
全てプライベート用
個人事業主が、全てプライベートで使用する場合の仕訳は下記のとおりです。
借方勘定科目 | 借方税抜金額 | 貸方勘定科目 | 貸方税抜金額 |
事業主貸 | 110,000 | 現金預金 | 110,000 |
全てプライベート用で使用する場合は、経費計上ができません。「事業主貸」勘定で処理し経費から除きます。
按分計算が必要な場合
リース車を事業・プライベートのどちらでも使用する場合には、按分計算が必要です。
カーリースのリース料は11万円/月、事業用割合は50%とすると仕訳は下記のとおりです。
借方勘定科目 | 借方税抜金額 | 貸方勘定科目 | 貸方税抜金額 |
リース料 | 50,000 | 現金預金 | 110,000 |
仮払消費税 | 5,000 | ||
事業主貸 | 55,000 |
リース料の内、経費にできるのは事業用割合が50%なので半分になります。よって、半分の55,000円は「リース料」勘定及び「仮払消費税」勘定で経費処理します。家事用の55,000円については「事業主貸」勘定で経費から除きます。
カーリースのメリット・デメリット
続いて、車を購入ではなくカーリースすることのメリット・デメリットを解説します。
デメリット
まずは、デメリットから解説しましょう。
所有権がない
1つ目のデメリットは、所有権がないことです。
カーリースの場合は、契約期間が終了したらリース会社に車を返却します。車が最後まで自分のものにならないのはデメリットと言えます。
ただ、リース期間終了後に車がもらえるリース契約もあります。その場合には、リース期間終了後リース車を自分のものにできます。
最終的には車を手に入れたい方は「最後に車がもらえるカーリース」として有名な「ニコノリ」でカーリースを検討してみてください。
「ニコノリ」は、新車を5,500円/月からリースできます。業界最安値の金額で借りられるのは嬉しいポイントですよね。
走行距離に制限がある
2つ目のデメリットは、走行距離に制限があることです。
制限距離を超えて走行すると、追加料金の支払いが必要になります。遠方への出張が多い場合など走行距離が長くなりそうな場合は、カーリースにすることで損にならないか検討しましょう。
ただ、デメリット1でお伝えした最終的に車をもらえる契約の場合、走行距離の制限がないリース契約もありますよ。
メリット
続いて、カーリースのメリットの紹介です。
初期費用を抑えられる
1つ目のメリットは、初期費用を抑えられることです。
車を購入した場合には頭金や自動車重量税、リサイクル料等の支払いが必要ですが、カーリースの場合にはこれら諸費用の支出がないので、初期費用を安くすることができます。
初期費用を抑えられるのはありがたいですね!車は欲しいけど、初期費用が高くて、。
支払う必要があるのは毎月のリース料なので、資金繰りの面でも計画が立てやすくなります。
気軽に乗り換えが可能
2つ目のメリットは、気軽に乗り換えができることです。
車を購入し次の車に乗り換える場合、旧車の売却処理、廃車手続き、新車の初期費用の用意等手間がかかります。
一方で、カーリースの場合にはリース車をリース会社に返却し、新たなリース車を探すだけなので乗り換えの手間が少ないです。気分に応じて気軽に車の乗り換えができるのはメリットですね。
維持費用がかからない
3つ目のメリットは、維持費用がかからないことです。
カーリースの場合、毎月のリース料に維持費用等も折り込まれているため基本的に維持費用がかかりません。毎月のリース料だけ用意すれば、急な出費が発生しにくいのは嬉しいポイントです。
おすすめのリース会社3社
最後に、カーリースをする際におすすめのリース会社を3社紹介します。カーリースを検討されている方は、参考にしてください。
株式会社DeNA_SOMPO
1つ目のおすすめのカーリースは、保険の「SONPO」とITの「DeNA」の新サービス「SOMPOで乗-ーる」です。
おすすめポイントは下記のとおりです。
・国産だけでなく輸入車も選べる。約300車種から選べるのは国内最大級
・契約期間が1〜9年まで選べる
・メンテナンスプランも選べ諸々の管理を任せられる
・「自分にあったプランが選べるカーリース」で No.1を獲得
・「クルマ好きにおすすめしたいカーリース」で No.1を獲得
ニコノリ
おすすめポイントは下記のとおりです。
・頭金0円(全てコミコミで月額定額)
・契約終了後は車がもらえる
・リース期間や走行距離の調整が可能
・提供する車はすべて「新車」
・全国47都道府県、オンライン販売可
株式会社三和サービス
おすすめポイントは下記のとおりです。
・トヨタの高級車、アルファードに月額19,800円で乗れる
・個人向けオートリース取扱高全国1位
・違約金等が発生しない
まとめ
今回は、カーリース代が法人・個人事業主の経費になるのか、カーリースのメリット・デメリット等を解説しました。
事業の用に使用していれば、カーリース代は経費計上が可能です。
車が必要だけど初期費用を抑えたい方、いろいろな車に乗ってみたい方は車の購入よりカーリースの方がメリットが多いでしょう。
カーリースに興味がある方は、まずはリース会社への問い合わせから始めてみてください。
次の記事では、高級車購入による節税について解説しています。
リース取引の税務上の取り扱いに関しては、次の記事で解説しています。
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