消費税はキャッシュフロー計算書にどう反映される?

キャッシュフロー計算書 消費税 取り扱い 未分類

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・キャッシュフロー計算書における消費税の取り扱いは?

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回は、こんな疑問にお答えします。

キャッシュフロー計算書の作成を考えた際に、消費税等の表示方法で悩むことってありますよね。

消費税の表示方法は全部で3種類あり、どれを採用するかは任意となっています。

当記事では、消費税の表示方法やキャッシュフロー計算書の表示分類まで詳しく解説します。

この記事を書いた人

・20代税理士
・世界4大税理士法人勤務経験有
・税金やお金に係るお得な情報を発信中

キャッシュフロー計算書における消費税等の表示方法

キャッシュフロー計算書における消費税の取扱いは、企業の選択に委ねられており、毎期継続して適用することを条件に、以下の3つの方法が認められています(連結C/F実務指針36項)。

実務的には、3つ目の方法で処理することがほとんどでしょう。

税込で表示する方法

この方法では、取引金額に消費税を含めた税込み金額でキャッシュフローを表示します。

具体的には、売上や仕入などにかかる消費税をすべて含めた状態で現金の流れを記載します。

期中税抜処理を採用している場合、PL項目を税込表示に直す必要があるの手間がかかります。

税抜で表示する方法

税抜金額でキャッシュフローを表示する方法です。

BS項目も税抜金額で表示が必要なため、こちらの方法もひと手間必要です。

PL項目は税抜、BS項目は税込で表示する方法

この方法は、企業が主に採用している実務的な方法です。

税抜きの取引金額で税引前当期純利益を計算し、税込の債権・債務の期中増減額を調整して、キャッシュフローを表示します。

この方法は、特に税抜方式を採用している企業にとって実用的です。

月次決算を行っていない場合には、「仮受消費税の増減額-仮払消費税の増減額」を「未払消費税等の増減額」として営業活動によるCFに反映させましょう。

未払or未収消費税の表示方法

消費税の納付や還付、または未払・未収消費税等の増減額は、「営業活動によるキャッシュフロー」の区分で処理されます。

消費税額を各活動区分にわけるのが困難な場合でも、この処理を行うことで消費税を反映したキャッシュフロー計算書の作成が可能となります。

なお、消費税等の申告による納付又は還付に係るキャッシュ・フローは、課税取引に関連付けて区分することが実務的に困難なため、「法人税等の支払額」と同様に「営業活動によるキャッシュ・フロー」の区分に消費税等支払額(還付額)又は未払(未収)消費税等の増減額として記載する。
連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針

そもそもキャッシュフロー計算書とは?

キャッシュフロー計算書は、企業の現金および現金同等物の動きを把握し、資金繰りの状況を明確にするための財務諸表です。

損益計算書や貸借対照表と並び、企業の財務状況を総合的に評価するための重要な書類となります。

特に現金の流れを追跡することで、企業がどのように資金を得て、どこに資金を使っているのかを詳細に把握することが可能です。

キャッシュフロー計算書の重要性

キャッシュフロー計算書は、利益や資産の計上方法によって現金の流れが直接反映されない損益計算書や貸借対照表と異なり、企業の実際の現金の増減を示します

例えば、売上が発生していても、取引先からの未払いがある場合は現金が企業に入っていない可能性があり、キャッシュフロー計算書ではこうした現金の出入りを正確に把握できます。

現金の流れを明確にすることで、以下の点が企業経営において非常に有用です。

・資金繰りの健全性を把握し、次の経営判断に役立てる
・借入や投資の適正なタイミングを見極め、資金調達の戦略を立てる
・株主や投資家に対して、企業が十分な現金を保有しているかどうかを示す

キャッシュフロー計算書の3つの区分

キャッシュフロー計算書は、企業の現金の流れを「営業活動」「投資活動」「財務活動」の3つの区分に分けて記載します。

それぞれが企業の資金繰りにどう影響を与えているのかを確認することで、企業の財務状況を総合的に理解することができます。

営業活動によるキャッシュフロー

営業活動によるキャッシュフローは、企業が通常の事業活動を通じて生じる現金の流れを示します。

売上や仕入、従業員への給与支払い、営業費用、その他事業に関連する支出や収入が含まれます。

営業活動によるキャッシュフローがプラスであることは、企業が事業活動から十分な現金を生み出していることを意味し、健全な経営を維持していることの指標になります。

一方、マイナスの場合は、事業活動での現金支出が収入を上回っていることを示しており、何らかの対策が必要であることを示唆します。

もなた
もなた

営業活動によるCFがプラスになっているか確認しましょう。

投資活動によるキャッシュフロー

投資活動によるキャッシュフローは、企業が設備投資や資産運用を通じて生じる現金の流れを示します。

この区分は、将来の収益性を高めるための支出や、資産を売却して現金を得る活動を表します。

〇投資活動によるCFの中身
固定資産の購入:不動産、機械、車両など、事業に必要な資産の購入にかかる支出
有価証券の購入・売却:株式や債券などの投資による現金の流出・流入
子会社や関連企業への投資:企業拡大のための戦略的な資本投入や買収

投資活動によるキャッシュフローは、通常マイナスであることが健全な企業の特徴です。

なぜなら、成長や将来の利益拡大を目指して積極的に設備投資を行っているからです。

逆に、プラスの場合は、資産の売却などによって一時的に現金を得ていることを意味しますが、長期的には事業の成長に対する投資が不足している可能性もあります。

もなた
もなた

投資活動によるCFはマイナスが普通ですが、営業活動によるCFのプラスを上回るマイナスの場合には注意が必要です。

財務活動によるキャッシュフロー

財務活動によるキャッシュフローは、資金調達や返済、株主への配当など、財務戦略に関連する現金の流れを示します。

企業が外部から資金を調達したり、借入金を返済したりする際に生じる現金の動きが含まれます。

〇財務活動によるCFの中身
借入金の返済:銀行からの借入や社債の返済による現金の流出
借入金の調達:新たな借入や社債発行による現金の流入
株主への配当金支払:企業の利益の一部を株主に還元するための現金支払い

財務活動によるキャッシュフローは、資金調達と返済のバランスを見ることで、企業の資金繰り状況を把握することができます。

プラスの場合は、新たに資金調達を行っていることを示し、成長投資や運転資金の確保をしている状態です。

一方、マイナスの場合は、借入金の返済や配当の支払いをしているため、返済能力の確認が必要となります。

キャッシュフロー計算書の実務的な活用

企業経営において、キャッシュフロー計算書は資金繰りの健全性を判断する重要な指標です。

売上が上がっていても、現金収入が十分でなければ、短期的な支払いに窮することがあります。

そうしたリスクを未然に防ぐため、キャッシュフロー計算書を定期的に確認し、現金の流れを適切に管理することが求められます。

また、外部の投資家や金融機関に対しても、キャッシュフロー計算書は信用を得るための大きな役割を果たします。

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まとめ

キャッシュフロー計算書において消費税を正しく処理することは、企業の資金繰りや財務状況を正確に反映するために重要です。

企業会計基準や実務指針に基づき、正確なキャッシュフロー計算書を作成し、消費税の適切な反映を行いましょう。

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