【具体例付解説】土地の取得価額に含めるものは?

土地の取得価額 プロモーション

土地を購入したけど、取得価額にはどこまで含めればいいの?

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回は、こんな疑問にお答えします。

取得した資産が減価償却資産の場合、取得価額は減価償却によって毎年損金化します。

一方で、土地は非減価償却資産です。

取得価額に計上した金額は、減価償却できず売却時まで資産として残ることになります。

そのため、土地の取得価額の判定は重要です

土地の取得価額に含めてなくいい経費を判断できるよう、当記事を参考に考え方を理解して頂ければと思います。

■この記事を書いた人
・20代税理士
・世界4大税理士法人勤務
・税金やお金に係るお得な情報を発信

土地の取得価額に含めるもの

減価償却資産を購入した場合の取得価額の範囲は、法人税法施行令第54条で規定されています。

減価償却資産の取得価額は、次に定める金額とする。
一 購入した減価償却資産  次に掲げる金額の合計額
イ 当該資産の購入の代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他当該資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
ロ 当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額
法人税法施行令 第54条 減価償却資産の取得価額

固定資産の取得価額に含めるものは、大きく分けて下記2つです。
➀資産のの購入代金
②資産を事業の用に供するために直接要した費用

購入代金はもちろんですが引取運賃や購入手数料、また購入資産を事業の用に供するために要した費用も取得価額に含める必要があります。

ところで、令54条は減価要償却資産に関して定めていますが、土地は非減価償却資産です。

非減価償却資産の取得価額はどのように考えればいいの?

非減価償却資産の取得価額については税法で規定されていませんが、法人税基本通達7-3-16の2で非課税資産も令54条の規定に準ずるとされています。

減価償却資産以外の固定資産の取得価額については、別に定めるもののほか、令第54条《減価償却資産の取得価額》の規定及びこれに関する取扱いの例による。
なお、資本的支出に相当する金額は当該固定資産の取得価額に加算する。
法人税基本通達 7-3-16の2 減価償却資産以外の固定資産の取得価額

つまり、土地の取得価額も減価償却資産と同様に考えればいいのです。

では、取得価額に含めるべきかどうか迷いそうな費用の内、取得価額に含める必要がある費用から確認していきましょう。

仲介手数料

不動産業者に支払う仲介手数料は取得価額に含める必要があります。

一つ注意点は、仲介手数料は消費税課税仕入れです。

勘定科目は「土地」でも、仲介手数料分は課税仕入れで処理するようにしましょう。

未経過固定資産税相当額

未経過固定資産税相当額とは、売主が支払った固定資産税の内、買主が負担すべき金額を売主に清算する費用です。

「税」と名前がついているため紛らわしいですが、こちらも固定資産の取得価額に含める必要がありますのでご注意ください。

売買契約書に貼った収入印紙代

土地を取得する際、売買契約書に貼り付けた収入印紙も取得価額に含める必要があります。

土地の取得に際して支払う立退料等

土地取得のために、その土地の使用者や借地人に立退料を支払った場合も取得価額に含める必要があります。

このことは、「法人税基本通達 7-3-5 土地、建物等の取得に際して支払う立退料等」にも示されています。

地方公共団体に対する寄付金等

土地の購入に際し、地方公共団体等に寄付金を支出することが土地取得の条件となっている等、支出した金額がその資産の代価を構成すべきものと認められるときは、その支出した金額は資産の取得価額に含める必要があります。

こちらは、「法人税基本通達 7-3-3 固定資産の取得に関連して支出する地方公共団体に対する寄附等」に示されています。

土地の取得価額に含めなくていいもの

続いて、土地の取得価額に含めなくてもいいものを確認しましょう。

法人税法基本通達7-3-3の2に具体例が示されています。

次に掲げるような費用の額は、たとえ固定資産の取得に関連して支出するものであっても、これを固定資産の取得価額に算入しないことができる。
(1) 次に掲げるような租税公課等の額
イ 不動産取得税又は自動車取得税
ロ 特別土地保有税のうち土地の取得に対して課されるもの
ハ 新増設に係る事業所税
ニ 登録免許税その他登記又は登録のために要する費用
(2) 建物の建設等のために行った調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用の額
(3) 一旦締結した固定資産の取得に関する契約を解除して他の固定資産を取得することとした場合に支出する違約金の額
法人税基本通達 7-3-3の2 固定資産の取得価額に算入しないことができる費用の例示

実務でよく出てくるものは赤字にさせて頂きました。

不動産取得税・登録免許税等は取得価額に含めなくてよいとされています。

(1)一定の租税公課等の金額

(1)の一定の租税公課等を取得価額に含める必要がないとしている理由は、固定資産取得後の事後費用であること、第三者対抗要件を具備するための費用であり、必ずしも固定資産の取得に要する費用とはいえないためです。

(2)調査費用等

土地の取得に際し、事前にアスベスト調査等を行うことがあります。

これらの調査費用等は原則的には取得価額に含める必要があります。

しかし、計画の変更によりこれら費用が不要となった場合には、新たな計画により取得する土地の取得価額に含める必要はないとのことです。

これはそうだろうなという感じがしますよね。

借入金の利子

固定資産の取得のために借り入れた借入金の利子は、取得価額に含める必要はありません。

まとめ

今回は、土地の取得価額に含めるべきものと含めなくてよいものを具体例付きで解説しました。

土地は非減価償却資産であるため、一度資産計上した金額は売却時まで損金にできません。当記事を参考に、無駄な資産計上をしないようにしてください。

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