【仮想通貨の税金がやばい】株式等の2倍の税金がかかる理由

仮想通貨の税金がやばい理由 仮想通貨

「仮想通貨の売却益には、株式や投資信託の2倍の税金がかかるって本当?」
「仮想通貨の税金が高いのはなんで?」

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回はこんな疑問にお答えしていきます。

「仮想通貨で億り人になった」とSNSで発言している人をみたことがありますでしょうか?

将来の爆発的な利益を見越し、仮想通貨を投資対象としている人が増えてきています。

一方で、「仮想通貨の税金は不利」と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

実際、仮想通貨は株式や投資信託と比較して税制上不利となっています

この記事で税制上不利な理由を理解して頂き、それでも仮想通貨の将来性にかけて投資をするのか。今後の投資判断の参考にしてください。

本記事を読むことで、次のことが理解できます。

・仮想通貨の税金がやばい理由
・仮想通貨にかかる税金の種類
・仮想通貨に税金がかかるタイミング
・確定申告をしないと税務署にばれるか
また、この記事の信頼性は次のとおりです。
■この記事の信頼性
この記事を書いている私は、現在BIG4税理士法人で働いています。BIG4で働く前は2つの中小規模の税理士法人で働いていました。
私がこれまでに得た知識を基に解説しています。


仮想通貨の税金がやばい理由

仮想通貨を売却した時にかかる税金について、税金の種類ごとに確認していきましょう。

仮想通貨に課される税金

所得税

1つ目は、所得税です。

仮想通貨の税金がやばいと言われるのは、この所得税の仕組みが原因です

所得税は累進税率となっており、稼げば稼ぐほど所得税率が大きくなります。所得税の累進税率は下記のとおりです。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円まで5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円まで10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円まで20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円まで23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円まで33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円まで40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円

(引用:国税庁「所得税の税率」)

上記表をみてみると、最大税率はなんと45%にもなります

45%!?

稼いだ金額の約半分が税金でもってかれるということですか?

もなた
もなた

そのとおりです。これが、仮想通貨の税金がやばい最大の理由です。

住民税

仮想通貨の売却益にかかる税金は所得税だけではありません。住民税もかかります

住民税率は一律10%となります。

所得税を最大税率で支払う場合には、住民税も合わせると仮想通貨の売却益に最大55%の税金がかかることになります

半分以上税金でもってかれるなんて、、。

消費税

ここで、一つ朗報ですが仮想通貨の売却益に消費税はかかりません

仮想通貨の売却は、消費税法上「非課税売上」に該当するため消費税が発生しないのです。

仮想通貨と消費税の関係については次の記事で詳しく解説しています。

【税理士解説】仮想通貨の売却益に消費税はかかりません
「仮想通貨を売却したら消費税がかかる?」「仮想通貨と消費税の関係について教えて」こんにちは。税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。今回はこんな疑問にお答えしていきます。本記事を読むことで、次のことが理解できます。・仮想通貨...

国民健康保険料額にも影響?

個人事業主の場合ですが、仮想通貨の売却益にかかるのは税金だけではなく、国民健康保険料もかかります

国民健康保険料は前年の所得金額に応じて金額が決まりますが、仮想通貨の売却益はこの所得金額に含まれます。

つまり、仮想通貨の売却益が増えるほど支払う国民健康保険料も増額します

サラリーマンの方が支払う社会保険料は、算定方法が異なり支払う保険料額に影響がありませんのでご安心ください。

ここまでの内容をまとめます。仮想通貨の売却益に影響を受けるもの、受けないものは次のとおりです。

種類
仮想通貨の売却益に課税所得税、住民税、国民健康保険料
仮想通貨の売却益に不課税消費税、社会保険料

仮想通貨の売却益には、所得税及び住民税を合わせて最大55%の税金がかかり、これに加えて国民健康保険料額も増額します。

売却益の半分以上が税金や保険でもってかれるため、仮想通貨の税金はやばいのです

株式や投資信託等の最大2倍の税率がかかる!?

では、なんで仮想通貨の税金だけやばいと言わるのでしょうか。

投資信託や株式の税金も同じではないのか

実は、「仮想通貨」と「株式や投資信託」ではかかる税率が違います

え?なんで税率が異なるの?

それは、仮想通貨と株式や投資信託では次のように課税方法が異なるためです。
・仮想通貨:総合課税
・株式や投資信託:申告分離課税

この課税方法の違いが、仮想通貨の税金を不利にしています。総合課税だと不利な理由を4つ紹介しましょう。

税率が最大2倍以上!?

申告分離課税の場合、売却益に課税される所得税率は一律20.315%(所得税15%,住民税5%,復興特別所得税0.315%)です

仮想通貨には最大55%の税率がかかることを考えると、株式や投資信託の2倍以上の税金がかかる可能性があります

国民健康保険料への影響

申告分離課税の場合、特定口座で取引していれば確定申告をしないことができます。特定口座内で売却益に税金が課されているため、改めて申告をしなくてもいいという措置です。

確定申告をしないと、国民健康保険料の課税標準に含まれないというメリットがあります。

一方で、総合課税の場合にはこのような申告不要制度がありませんので、必ず確定申告をする必要があります。

損益通算や損失の繰越ができない

申告分離課税では損益通算や損失の繰越ができますが、総合課税である仮想通貨にはこのような措置がなく、こちらも仮想通貨の税金が不利な理由となります

総合課税と申告分離課税の違いをまとめると次のとおりです。

総合課税申告分離課税
対象仮想通貨の売却益等株式や投資信託の売却益等
税率最大55%一律20,315%
国民健康保険料影響あり影響なし(申告しない)
損益通算×
損失繰越×

仮想通貨の税金は総合課税のため、株式や投資信託と比較してかなり不利な状況になっているんですね、、。

もなた
もなた

はい、税金の面では現状かなり不利な状態です。仮想通貨の将来性と天秤にかけ、この税金面での不利を考慮したうえで投資判断をするようにしてください。


仮想通貨に税金がかかるタイミング

売却した時

仮想通貨に税金がかかるのは、仮想通貨を売却して利益が発生したタイミングです

もなた
もなた

つまり、仮想通貨を取得した時・保有している状態では税金がかかりません。

また、売却損となる場合には税金がかかりません。

モノと交換した時

仮想通貨で、物やサービスを購入した場合にも税金がかかります。

所得税法上、経済的価値のあるものを取得した場合には税金の計算を行うことになっています。

モノと交換した場合、税法上は一度仮想通貨を売却して、その後モノを購入したいう2段階取引と考えるため、売却のタイミングで税金がかかるという理屈です。

物やサービスだけではなく、仮想通貨で仮想通貨を購入した場合も同様に課税タイミングです。ビットコインでイーサリアムを購入する取引等が該当します。

仮想通貨の取得も、経済的価値のあるものの取得に該当するということです。

もなた
もなた

このタイミングで税金が発生するのはイメージしづらいかもしれまん。忘れずに申告するようにしましょう。


確定申告をしないと税務署にばれる?

税務署にばれるか

仮想通貨の売却益がでた場合、確定申告をしないと税務署にばれます。

税務署側で、仮想通貨の売却益に対する監視が強まっており、毎年億単位で仮想通貨の申告漏れが指摘されています。

仮想通貨の売却益は高額になりやすいこと、法整備が追い付いていないことを逆手にとってグレーゾーンの節税策が行われないよう注視する必要があることから、今後も税務署の監視の目が強くなることが予想されます。

また、申告漏れが指摘された場合、多額の追徴課税を請求されるリスクがあります

確定申告が必要な場合は必ず申告するようにしましょう。

確定申告が必要な場合

会社員の場合、給与以外の合計所得金額が20万円超の際には確定申告が必要です

雑所得が仮想通貨の売却益のみであるならば、年間で仮想通貨の売却益が20万円超の場合には確定申告が必要と考えてください。売却損となっている場合には確定申告が不要です。

雑所得である仮想通貨の確定申告のやり方は、次の記事で詳しく解説しています。

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税理士に相談しよう

仮想通貨の税金は複雑な上、売却益が高額になりやすく申告漏れ・間違いがあったときの影響額が大きいです

また、税率が高いということは、節税対策がより有効になります

普段税金に触れていない方であれば、多少の報酬を支払ってでも確定申告は税理士にお願いする方が有利になるでしょう。

顧問税理士がいないという方は、「税理士ドットコム」というサイトで無料で税理士を紹介してくれますので、仮想通貨で大きく利益が出そうな方は早めに相談するようにしましょう。

仮想通貨の計算ツール

税理士に相談するお金がもったいないという方には、「【CRYPTACT(クリプタクト)】」というサービスがおすすめです。

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まとめ

今回は、仮想通貨の税金がやばい理由を解説しました。

仮想通貨は、総合課税という方式で税金が課されるため所得税率が累進税率となり、住民税も合わせると最大55%の税率が課されます

利益の半分以上が税金でもってかれる可能性があり、株式や投資信託の税率20.315%と比較すると2倍以上の税金がかかることになります。

さらに、総合課税である仮想通貨は国民健康保険料額の加算対象であるため、税制面・国民健康保険料の両面から不利な状況です。

今後、現状の「総合課税」から株式等と同様の「分離課税」に変更されれば税制面の不利はなくなりますが、改正が入る見込みは今のところありません。

税金面の有利不利、仮想通貨の将来性を天秤にかけ投資判断を行うようにしてください。

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