【税理士解説】分割基準の従業員数

分割基準 従業員数 その他

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こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。

今回は、分割基準の従業員数について解説します。

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分割基準の従業員数

分割基準とは

複数の都道府県・市町村に事業所等を有する法人は、課税標準額の総額を一定の基準で分割して税額を算定します。

この一定の基準を分割基準といいます。

分割の基準としては、従業者数と事務所数を使用します。

分割基準の従業員数

分割基準の従業員数は、事業年度終了の日の従業者数で計算します。

従業者とは、給与支給の有無に関わらず、また、常勤、非常勤の別を問わず、給与の支払いを受けるべき労務等を提供している方が対象です。

具体的には、役員、一般社員、アルバイト、パートタイマー、派遣社員等が該当します。

ただし、事業年度の中途において事務所の新設・廃止があった場合は、事業所等の所在した月数での按分計算が必要です。

按分の計算式は次のとおりです。

新設があった場合

事業年度終了の日現在の人数×新設の日から事業年度終了の日までの月数/事業年度の月数

廃止があった場合

廃止の日の前月末日現在の人数×廃止日までの月数/事業年度の月数

新設の日はいつ?

県民税・事業税・市民税

法人県民税・市民税の、事務所新設の日は営業開始日(オープンの日)となります。

地方税の事業所の定義として、人的設備、物的設備、事業の継続性の3要件を備えていることが必要です。

事務所を賃貸しても事業を開始していない場合は、「事業の継続性」に該当しないと考えられますので、事業開始日が新設の日となります。

事業所税

事業所税の場合、新設の日は営業開始日(オープンの日)ではなく、当該業務の準備期間等を含む賃貸借期間の開始日となりますので注意しましょう。

なお、事業年度の中途で賃貸借契約を結んだ場合、月割計算の月数については、新設の日の属する月の翌月から数えます。

新設の日
・法人県民税・事業税:営業開始日
・事業所税:賃借期間開始日

新設廃止があった際の月数

均等割

新設・廃止があった場合の均等割の計算に使う月数ですが、1月未満の端数が生じた場合にはこの端数を切り捨てて計算します。

3 第一項に定める均等割の額は、当該均等割の額に、前項第一号の法人税額の課税標準の算定期間若しくは同項第二号の期間又は同項第三号の期間中において事務所、事業所又は寮等を有していた月数を乗じて得た額を十二で除して算定するものとする。この場合における月数は、暦に従つて計算し、一月に満たないときは一月とし、一月に満たない端数を生じたときは切り捨てる。
地方税法第52条第3項:法人の均等割の税率

分割基準

従業員数算定時の月数

新設・廃止があった際の従業員数の計算に使う月数は、1月未満の端数があった場合には端数を切り上げて計算します。

第五十七条 二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人(予定申告法人及び第五十三条第二項の規定により申告書を提出すべき法人を除く。)が同条同条第一項後段を除く。)の規定により法人の道府県民税を申告納付する場合には、当該法人の法人税額を関係道府県に分割し、その分割した額を課税標準とし、関係道府県ごとに法人税割額を算定して、これに均等割額を加算した額を申告納付しなければならない。この場合において、関係道府県知事に提出すべき申告書には、総務省令で定める課税標準の分割に関する明細書を添付しなければならない。
2 前項の規定による分割は、関係道府県ごとに、法人税額の課税標準の算定期間中において有する法人の事務所又は事業所について、当該法人の法人税額を当該算定期間の末日現在における従業者の数にあん分して行うものとする。
3 前項の場合において、次の各号に掲げる事務所又は事業所については、当該各号に掲げる数(その数に一人に満たない端数を生じたときは、これを一人とする。)を同項に規定する従業者の数とみなす。
一 法人税額の課税標準の算定期間の中途において新設された事務所又は事業所 当該算定期間の末日現在における従業者の数に、当該算定期間の月数に対する当該事務所又は事業所が新設された日から当該算定期間の末日までの月数の割合を乗じて得た数
二 法人税額の課税標準の算定期間の中途において廃止された事務所又は事業所 当該廃止の日の属する月の直前の月の末日現在における従業者の数に、当該算定期間の月数に対する当該廃止された事務所又は事業所が当該算定期間中において所在していた月数の割合を乗じて得た数
三 法人税額の課税標準の算定期間中を通じて従業者の数に著しい変動がある事務所又は事業所として政令で定める事務所又は事業所 当該算定期間に属する各月の末日現在における従業者の数を合計した数を当該算定期間の月数で除して得た数
4 前項の月数は、暦に従つて計算し、一月に満たない端数を生じたときは、これを一月とする。
5 前各項に定めるもののほか、法人税割の課税標準たる法人税額の分割について必要な事項は、総務省令で定める。
地方税法57条:二以上の道府県において事務所又は事業所を有する法人の道府県民税の申告納付

事業所数

分割基準の計算に使用する事業所数は、事業年度に属する各月の末日を合計した数値になります。

4 前項に規定する分割基準(以下この款において「分割基準」という。)の数値の算定については、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定めるところによる。
一 従業者の数 事業年度終了の日現在における数値。ただし、資本金の額又は出資金の額が一億円以上の製造業を行う法人の工場である事業所等については、当該数値に当該数値(当該数値が奇数である場合には、当該数値に一を加えた数値)の二分の一に相当する数値を加えた数値
二 事業所等の数 事業年度に属する各月の末日現在における数値を合計した数値(当該事業年度中に月の末日が到来しない場合には、当該事業年度終了の日現在における数値)
三 電線路の電力の容量、固定資産の価額及び軌道の延長キロメートル数 事業年度終了の日現在における数値
地方税法72条の48第4項:分割法人の申告納付等

まとめ

今回は、分割基準の計算における従業員数について解説しました。

事務所の新設・廃止があった場合の計算の参考にしてください。

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