【2024年】暦年贈与と相続時精算課税制度の併用は可能?

2024年 暦年贈与と相続時精算課税制度 併用は可能? 相続税

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・相続時精算課税制度と暦年贈与の併用は可能?

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回は、こんな疑問にお答えします。

結論からお伝えすると、「相続時精算課税制度」と「暦年贈与」の併用はできません。

では、どちらを選べばよいのでしょうか?

制度の違いを理解しないまま選択してしまうと、大きな損失につながることも。

この記事では、あなたの状況に合わせて最適な選択をするためのポイントをわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

・20代税理士
・世界4大税理士法人勤務経験有
・税金やお金に係るお得な情報を発信中

相続時精算課税制度と暦年贈与の併用は可能?

相続時精算課税制度と暦年贈与の併用はできません。

また、一度選んだ相続時精算課税制度を暦年課税制度に戻すこともできません。

そのため、相続時精算課税制度を利用するのか、利用するならタイミングはいつがいいのか慎重な検討が求められます。

例えば、贈与者が比較的若い時期には暦年贈与を利用し、60歳以上の年齢や平均余命が短くなったタイミングで相続時精算課税に切り替えるという方法も考えられます。

一方で、贈与者が異なる場合は併用が可能です。

父親からは相続時精算課税制度を利用し、母親からは暦年贈与を利用するといったケースが考えられます。

2024年以降の相続時精算課税

2023年度の税制改正にて、相続時精算課税制度及び暦年贈与の改正が行われました。

2024年1月以降からの相続時精算課税制度は従来の2500万円の特別控除に加え、年110万円の基礎控除が新設され非課税枠が広がっています。

この基礎控除分は、相続発生時に相続財産に加算されることはありません(特別控除は従来どおり加算されます)

一方で、暦年課税については、相続開始前の贈与財産を相続財産に加算する期間が、3年から7年に延長されています。

この改正により、今後相続時精算課税を選択することでより有利な状況が増えると考えられます。

相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度は、贈与時に一度贈与税を計算して納付するものの、相続時にその贈与額を相続財産に合算し、相続税を再計算する制度です。

一度納めた贈与税は、相続税額から控除することができます。

相続時精算課税制度のメリットとデメリットを確認しましょう。

メリット

➀多額の財産を贈与可能: 2500万円までの贈与税非課税枠があるため早期に多額の財産移転が可能
②年110万円の贈与まで生前贈与加算されない:暦年贈与では7年分加算される
③相続財産への加算は贈与時の価額:将来価額上昇が見込まれる財産を贈与すれば節税になる

デメリット

➀一度選択すると暦年贈与には戻れない:慎重な判断が必要です
②小規模宅地等の特例が適用できない:小規模宅地の特例は相続または遺贈による財産の取得が要件(贈与不可)
③ 孫へ贈与すると相続税が2割加算される

デメリット②、③については、暦年贈与でも同じくデメリットとなります。

暦年贈与とは?

暦年贈与は、年間110万円の非課税枠を利用して、毎年少しずつ資産を移転する方法です。

この制度を利用することで、長期間にわたり贈与を行い、相続税の節税を図ることが可能です。

暦年贈与のメリットとデメリットは次のとおりです。

メリット

年間110万円の非課税枠
相続税額圧縮効果: 相続開始の7年より前に贈与した財産は相続財産に加算不要

デメリット

大きな資産移転が困難: 一度に大きな資産を移転することが難しい
生前贈与加算:相続開始前の7年間の贈与は相続財産に足し戻しが必要

どちらを適用すべきか

相続時精算課税制度と暦年贈与はどちらを適用すべきでしょうか?

どちらが有利かは状況によるため一概には言えませんが、贈与者がまだお若く贈与期間が長い場合には、暦年贈与が有利になると考えられます。

一方で、事業承継を考えていて、将来的に収益が見込まれ自社株を後継者に移転したい場合には相続時精算課税制度が有利になると考えられます。

もなた
もなた

相続時精算課税制度では、相続財産に加算する際に贈与時の価額で加算することができます。

まとめ

今回は、「相続時精算課税制度」と「暦年贈与」の併用について解説しました。

相続時精算課税制度と暦年贈与は、それぞれ異なる特徴を持ち、適切に利用することで大きな節税効果を期待できますが、両制度を併用することはできません。

将来の相続に備え、専門家と相談しながら最適な資産の移転方法を検討しましょう。

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