【税理士解説】不動産投資は節税にならない?

不動産投資は節税にならない 不動産投資

・不動産投資の節税は嘘と聞いたけど実際どうなの?
・不動産投資節税の仕組みを教えて
・不動産投資の節税はやるべき?

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回はこんな疑問にお答えしていきます。

不動産投資は実際に節税効果があります。
ただし、全てのに場合に節税効果があるわけではありません。

この記事で不動産投資節税の仕組みを理解して頂き、株式投資や仮想通貨への投資とは別の投資方法として今後の投資判断の参考にして頂ければと思います。

この記事で解決できること

・不動産投資は節税にならないと言われる理由
・不動産投資の節税の仕組み
・不動産投資と相続税節税
・不動産投資の節税がおすすめな人

それでは、さっそく確認していきましょう。

この記事を書いた人

・20代現役税理
・世界4大税理士法人に勤務中
・これまでに仕事で得た知識を基に解説しています

不動産投資は節税にならないと言われる理由

まず、不動産投資が節税にならないと言われる理由を2つ説明します。

赤字前提の話だから

1つ目の理由は、不動産投資の節税は不動産所得が赤字であることを前提とした話だからです

個人を想定して話すと、不動産投資の所得は所得税法上「不動産所得」に該当します。そして、不動産所得は給与所得と損益通算をすることができます

不動産投資で損失が出た場合に、給与所得から損失分をマイナスして税金の計算ができるため節税となります。

もなた
もなた

損益通算ができるというのが、不動産投資節税の最大の魅力でしょう。

損益通算できるため、節税効果はきちんとあります。

ただし、不動産所得が赤字なら個人の収入としてはマイナスなわけで、そもそも投資する意味があるの?ということから、不動産投資は節税にならないという意見がでてきます。

損益通算ができても、結局キャッシュが減っているようであれば意味がないですからね。

節税効果は永遠ではない

2つ目の理由は、節税効果は永遠ではないということです

不動産所得がマイナスということは収入より経費が多いということですが、不動産投資の経費で金額が大きいのは減価償却費です。

減価償却費とは、建物の耐用年数に応じて建物の取得金額を経費化していくことです。

建物の耐用年数は建物の構造によって変わり22年~50年の耐用年数になります。耐用年数に関しては、国税庁のこちらのサイト「国税庁:主な減価償却資産の耐用年数表」に記載されています。

つまり、この耐用年数が終われば減価償却費がなくなるため、節税効果は永年には続かない、不動産投資は節税にならないという意見がでてきます。

私としては、22~50年も節税できれば十分な節税効果があると感じますが。

不動産投資 節税の仕組み

続いて、不動産投資の節税の仕組みについて税金の種類ごとにもう少し詳しく解説します。

所得税

まず、所得税の節税効果です。

前章でも説明したように、不動産所得がマイナスとなった場合には他の給与所得等と損益通算ができるため節税効果があります。

建物の購入金額は高額となるため、その分減価償却費が大きくなり節税につながることが多いです。

法人税

法人税の節税の仕組みは、所得税と同様です。

法人税は、全ての事業から生じた所得を通算して最終的な所得を算出するため、不動産事業で生じた損失を他の事業から生じた所得と損益通算することができます。

住民税

住民税は、所得税や法人税額を基礎として計算します。

そのため、所得税や法人税が節税となれば比例して住民税の節税につながります。

相続税

相続税についても節税効果があります。

相続税の計算の仕組み上、現金よりも不動産等を保有していた方が相続税評価額が低くなるのが一般的です。

また、不動産を賃貸していると借地権割合や賃貸割合に応じて更に相続税評価額を下げられるためより節税効果が大きくなります

不動産投資の節税を考える際は、所得税や法人税だけではなく、相続税も視野に入れて考える必要があります。

不動産投資節税で成功するポイント

続いて、不動産投資節税を成功させるポイントを解説します。

節税目的で不動産投資はしない

ポイントの1つ目は、節税目的のみで不動産投資をしないことです

ここまで確認したように、不動産投資によって一定の節税効果は見込めるでしょう。

しかし、節税目的だけで投資をすると結局現金は減少していくという事態になりかねません。

不動産投資をする際は、あくまで利益が見込める物件を選びましょう

その上で、有効な節税策を考えることが重要です。

高所得者ほど節税効果が高い

個人の方前提の話ですが、不動産投資による節税効果は高所得者ほど大きくなります。

これは、所得税が累進税率となっているためです。所得税率は次表のとおりです。

課税される所得金額税率控除額
1,000円 から 1,949,000円5%0円
1,950,000円 から 3,299,000円10%97,500円
3,300,000円 から 6,949,000円20%427,500円
6,950,000円 から 8,999,000円23%636,000円
9,000,000円 から 17,999,000円33%1,536,000円
18,000,000円 から 39,999,000円40%2,796,000円
40,000,000円 以上45%4,796,000円
(引用:国税庁「所得税の税率」)

稼ぎが大きいほど所得税率が高くなるため、不動産投資による節税効果もより高くなります。

所得が高い方程、投資先の一つとして不動産投資も検討しましょう。

不動産投資は専門家に相談しよう

不動産投資をする際は、専門家に相談するようにしましょう。

金額が大きく、リスクがある投資のため専門家と相談しながら少しでもリスクを抑え、自分へのメリットを最大化することが重要です。

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節税策に関しては税理士に相談

不動産投資の節税を検討する際は、税理士に相談することをおすすめします。

不動産投資による節税を検討する際は、所得税や法人税だけではなく相続税等も含めて検討するとより効果的です。また、どこまで不動産投資の経費にできるかという判断も税理士がいれば安心して相談できるでしょう。

顧問税理士がいないという方は、「税理士ドットコム」というサイトで完全無料で税理士を紹介してくれます。

不動産投資による節税を検討している方は早めに相談するようにしましょう。

まとめ

今回は、不動産投資の節税について解説しました。

不動産投資の節税は、不動産所得が赤字前提の話であるため不動産投資は節税にならないという意見もあります。

赤字前提の節税目的で不動産投資をすることは私もおすすめしません

しかし、あくまで収益化を目指し、費用が大きく発生する運用開始直前数年の赤字を節税に生かすということであれば有効な節税策と言えます

株式投資やfx等と同様に、投資方法の一つとして検討してみてください。

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