フリーランス向けおすすめ節税対策を教えて!
こんにちは。
税理士のもなた(@monata.zeirishi)です。
今回はこんな疑問にお答えしていきます。
フリーランス向けの節税対策はいろいろありますが、今回はその中でも特におすすめできる節税テクニック10選を紹介します。
全ての節税テクニックを実践する必要はありませんが、ご自身でもできると感じたものは積極的に取り入れるようにしてください。
それでは、さっそく確認していきましょう!
税金で損をしない節税テクニック10選
青色申告特別控除
1つ目は、「青色申告特別控除」です。
「青色申告特別控除」とは、複式簿記による帳簿の記載、e-tax等による電子申告などの要件を満たすことで65万円の特別控除を受けられる制度です。
このテクニックは全ての人が活用可能です。
実践が簡単なこと、65万円控除と控除額が大きいことから一番おすすめできる節税テクニックです。
65万円控除は嬉しいな!でも、複式簿記とかできるかなあ。
会計ソフトを使用すれば、簡単に適用要件を満たすことができますよ。
お試し期間として1年間無料で使える会計ソフトもありますので、まだ会計ソフトを導入していない方は導入を検討しましょう。
帳簿作成に必要な時間の節約にもなります。
フリーランスの方におすすめの会計ソフトは次の記事で解説しています。
青色事業専従者給与
2つ目は、「青色事業専従者給与」です。
1つ目の青色申告特別控除と同様に、青色申告の特典となっています。
青色事業専従者給与は、事業に携わる家族への給与を経費にできる制度です。「白色申告」でも専従者給与の制度がありますが、給与の上限額が決められていたり制限が多いので、青色の方がおすすめです。
家族内でお金が回っているので、お金が減らずに経費を増やすことができるのが大きな利点ですね。
また、専従者給与を支払う場合には給与支給額から源泉所得税を徴収して納付する必要があります。
専従者給与に係る源泉所得税については、次の記事にまとめています。
少額減価償却資産の特例
3つ目は、「少額減価償却資産の特例」です。
こちらは、取得価額が30万円未満の資産を資産計上せずに全額経費にできる制度です。
事業に必要なPCやデスクなど、10万円以上だと本来資産計上が必要ですが、この特例を使えば一括で経費にできるため節税効果があります。
1つ目、2つ目の節税テクニックと同様こちらも「青色申告」の特典になります。
青色申告の特典は、「損失を3年間繰り越せる」など他にもまだまだあります。フリーランスの方は是非「青色申告」を目指すようにしてください。
所得控除をフル活用
4つ目は、「所得控除」をフル活用です。
「所得控除」とは、その名のとおり各種要件を満たすと所得を減らせる制度です。
所得控除は次のとおりたくさんの種類があります。
・基礎控除
・扶養控除
・配偶者控除(特別控除)
・勤労学生控除
・ひとり親控除
・寡婦控除
・障碍者控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・小規模企業共済等掛金控除
・社会保険料控除
・寄付金控除
・医療費控除
・雑損控除 etc.
自分が控除要件に該当していても、確定申告で申告しなければ控除されません。
所得控除の申告漏れで損をしたくない方は、ある程度ご自身で税金の知識を身につけるか、税理士を雇うかの対策が必要です。
ふるさと納税
5つ目は「ふるさと納税」です。
最近はCMも放送されいるので、知っている方も多いのではないでしょうか。
寄附金は所得税・住民税の控除になり、さらに寄付した自治体から特産品を貰えるということで、やらない理由がない節税テクニックです。
注意点は、収入に応じて寄付できる上限額が決まっており、上限額を超えた寄付は控除されません。
上限額はふるさと納税サイトにある限度額のシミュレーションを利用することで簡単に確認することができます。
医療費控除
6つ目は、「医療費控除」です。
医療費控除は、自身や扶養家族の医療費が多額の場合に、その金額に応じて所得から支払った医療費を控除できる制度です。
今年は家族内で医療費の支払いが多かったと感じる場合は、年間の医療費額を集計してみましょう。年間の医療費が10万円近くであれば、医療費控除を適用できる可能性があります。
小規模企業共済等掛金控除
7つ目は、「小規模企業共済等掛金控除」です。
フリーランスのための退職金制度ですね。小規模企業共済への掛金は、掛金全額を所得から控除できるため節税につなががります。
掛金は将来老後資金として返ってくるので、フリーランスの方にとっては掛金の控除をしながら退職金の積み立てができるメリットがあります。将来返ってくる際は、掛金に運用益分が加算されて返ってきます。
開業費を経費化
8つ目は、「開業費の経費化」です。
開業費とは、開業をする前の準備にかかったお金のことですが、これらの開業前準備費用を開業後の費用とすることができます。
「開業費」は金額がある程度大きくなることがある一方で、この制度を知らずに経費にしていない方が多いです。
開業費の具体例としては、開業前の「PC購入費用」「広告宣伝費用」「通信費用」「調査のための旅費」等が該当します。
開業前にかかった費用は領収書を残しておくなどして、開業後経費にできるようしっかりと管理しておきましょう。
iDeCo
9つ目は、「iDeCo」です。
こちらは存在を知っている方も多いかと思いますが、iDeCoへの掛金は全額所得控除が可能なため節税につながります。
iDeCoに拠出した掛金は運用し、老後に受け取る際には掛金以上の額となっていることが期待されます。
投資運用益には通常税金が課税されますが、idecoの場合には投資運用益は非課税となっており、利益に対して税金が課されないのがメリットです。
デメリットとしては、原則60歳以上にならないと引き出せないため、老後までに必要な資金を逆算しながら拠出額を決めていく必要があります。
新NISA
最後は、「NISA」です。
「NISA」とは、投資運用益には通常20%程の税金が課税されるところ、「NISA口座内」での運用益については非課税になるという制度です。
2024年からは、「新NISA」が始まるということで話題になっていますよね。
iDeCoと違い「NISA」への拠出金は所得控除ができないため節税としてのメリットは少ないですが、いつでも引き出せる点がiDeCoよりも優れています。
「NISA」を活用して事業資金を増やすことができ、またフリーランスは自分で老後資金を準備する必要があることを考えると積極的に活用することをおすすめします。
まとめ
今回は、フリーランスにおすすめの節税テクニック10選を紹介しました。
使える節税テクニックを使わずに税金で損をするのはもったいないことです。
今回紹介したテックニックの内、ご自身でもできそうだと感じたものは是非活用するようにしてください。
顧問税理士と契約するとこうした節税アドバイスはもちろんのこと、記帳代行や経営アドバイスなどあなたの事業の手助けをしてくれます。
顧問料が高いイメージがあるかもしれませんが、それ以上に得られるメリットがあるでしょう。
現在顧問税理士がいないという方は、次の記事で税理士の探し方について解説していますので参考にしてください。
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