法人成りで消費税は2年免税?4つの注意点【税理士解説】

法人成りで消費税は2年免税?4つの注意点 法人向け

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法人成りで消費税は2年かからないの?
インボイス登録しても免税になる?
消費税の手続きは何が変わる?

こんにちは。
税理士のもなた(@TaroZeikin15214)です。
今回はこんな疑問にお答えしていきます。

法人成りを考え始めると、「会社にすれば消費税が2年間かからない」という話を聞くことがあると思います。

現役税理士である私が、法人成りと消費税の関係を、免税にならないケースと4つの注意点で整理します。

□この記事でわかること
・消費税が最長2年免税になる仕組み
・免税にならない3つのケース
・法人成りの消費税 4つの注意点

この記事を書いた人

・AIを使い倒す現役税理士
・世界4大税理士法人での勤務経験あり
・法人成りと会社の税金をわかりやすく発信中

会社が最長2年、消費税が免税になる仕組み

消費税を納めるかどうかは、原則として2年前(基準期間)の売上で決まります。

2年前の売上が1,000万円以下なら、消費税を納めなくてよい「免税事業者」です。会社の場合は、2期前の事業年度が基準期間になります。

法人成りして新しく作った会社には、1期目にも2期目にも、2期前の事業年度がありません。

そのため、資本金1,000万円未満の会社なら、設立から最初の2期は、原則として免税事業者になれます。

個人のときの売上は、会社には引き継がれません。個人事業主のときに課税事業者だった人も、会社では免税から始まるのがポイントです。

もなたの弟子
もなたの弟子

法人成りすれば、消費税が2年間ゼロになるんですね!

もなた
もなた

そう言われることが多いのですが、免税にならないケースもあるんです。順番に見ていきますね。

免税にならない3つのケース

次のどれかに当てはまると、1期目・2期目でも消費税を納めることになります。

1. 資本金が1,000万円以上

設立したときの資本金が1,000万円以上の会社は、「新設法人」として、1期目から消費税を納めます。

法人成りで資本金を決めるときは、1,000万円未満にしておくのが一般的です。

2. 最初の6か月の売上と給与が、どちらも1,000万円超

2期目は、1期目の最初の6か月(特定期間)の金額でも判定します。

2期目が課税になる条件(両方)
  • 最初の6か月の売上が1,000万円超
  • 最初の6か月の給与が1,000万円超

給与には、自分への給料(役員報酬)も含みます。売上と給与のどちらか一方が1,000万円以下なら、免税のままです。

売上の大きい事業を法人成りするときは、最初の6か月の役員報酬の額にも気をつけましょう。

3. インボイスの登録をした

インボイス(適格請求書発行事業者)の登録をすると、免税の期間でも消費税を納めることになります。

取引先が会社の場合は、インボイスがないと取引先が損をするため、登録を求められることが多いでしょう。

つまり、取引先が会社中心の事業では、「法人成りすれば消費税が2年間かからない」とは限りません。

法人成りの消費税 4つの注意点

ここからは、法人成りのときに特に気をつけたい4つのことを紹介します。

1. インボイスに登録するかを決める

まず決めたいのが、会社でインボイスの登録をするかどうかです。

登録するかの目安
  • 取引先が会社中心
    → 登録が必要になることが多い
  • 取引先が一般の消費者中心
    → 登録しなくてよいことが多い

個人で登録していた登録番号は、会社に引き継げません。会社として、新しく登録の申請をします。

設立した期の終わりまでに申請すれば、設立した日から登録を受けられます。取引先への請求書が途切れないよう、設立したら早めに申請しておきましょう。

個人の事業をやめるときは、税務署に「事業廃止届出書」を出します。これで個人の登録もなくなります。

フリーランスがインボイスに登録しない場合の影響は、フリーランスがインボイス制度の登録をしないとどうなる?で解説しています。

2. 2割特例・3割特例が会社では使えない

インボイスの登録をしている個人事業主が、いちばん気をつけたいのがここです。

免税事業者からインボイスの登録をした人は、「2割特例」を使えました。売上にかかる消費税の2割だけを納めればよい特例です。

この2割特例は、2026年9月30日を含む課税期間までで終わりました。そのあとの特例は、次のようになっています。

2割特例のあと
  • 個人事業主
    2027・2028年分は3割特例
  • 会社
    3割特例は使えない
  • これから設立する会社
    2割特例も使えない

会社の場合は、簡易課税(売上の消費税から、業種ごとの割合で納める額を計算する方法)か、通常の計算を選びます。

例えば、サービス業で売上の消費税が80万円の場合、納める額の目安は次のとおりです。

売上の消費税80万円の場合
  • 2割特例
    16万円
  • 3割特例(個人だけ)
    24万円
  • 簡易課税(サービス業)
    40万円

※仕入れや経費の少ないサービス業の例です。簡易課税は、サービス業なら売上の消費税の50%を納めます。一般的な目安です。

インボイスの登録をしている個人事業主が法人成りすると、個人のままなら使えた3割特例が使えなくなります。この例では、年16万円の差です。

もなたの弟子
もなたの弟子

消費税だけで、こんなに差が出るんですね…。

もなた
もなた

そうなんです。法人成りで所得税が減っても、消費税が増えて損得が逆になることもあります。セットで比べてくださいね。

法人成りを考える目安は、法人成り(法人化)のタイミングは?5つの目安でくわしく解説しています。

3. 個人から会社へ移す資産にも消費税がかかる

法人成りでは、個人で使っていた車・パソコン・備品・在庫などを、会社に移すことがあります。

個人から会社へ売る形で移すと、個人の売上として消費税の対象になります。

個人が課税事業者の場合
  • 会社へ売った金額
    → 個人の消費税の申告に入る
  • 土地の売却には消費税がかからない
  • 会社が課税事業者なら
    払った消費税を差し引けることも

個人がその年に免税事業者なら、資産を売っても消費税はかかりません。

車や在庫など金額の大きいものを移すときは、いつ・いくらで移すかを前もって決めておきましょう。

4. 最初の決算期と簡易課税の届出の期限

最後は、会社の最初の決算期と、届出の期限です。

最初の事業年度を7か月以下にすると、2期目は「最初の6か月の売上と給与」の判定がなくなります。売上が大きく、2期目も免税にしたい場合に使われる方法です。

ただし、1期目が短いぶん、最初の決算と申告がすぐにやってきます。3期目は、1期目の売上を12か月分に換算して判定する点にも注意してください。

簡易課税を選ぶときは、「簡易課税制度選択届出書」を出します。

簡易課税の届出の期限
  • 原則
    使いたい期が始まる前まで
  • 設立した期
    期末までに出せば1期目から
  • 一度選ぶと
    2年間は通常の計算に戻せない

設立した期の届出は、期限を過ぎると1期目に使えません。インボイスの登録とあわせて、設立したら早めに決めておきましょう。

まとめ

法人成りした会社は、資本金1,000万円未満なら最初の2期は原則として消費税が免税です。ただし、次の4つに気をつけてください。

  • インボイスに登録するかを決める
  • 2割・3割特例は会社で使えない
  • 会社へ移す資産にも消費税
  • 最初の決算期と簡易課税の届出の期限

特にインボイスの登録をしている人は、法人成りで消費税が増えることもある点を、あらかじめ試算しておくことが大切です。

※この記事は一般的な情報です。個別のケースについては、専門家にご相談ください。

決める前に税理士に試算してもらうなら

インボイスの登録をしている方や、売上が1,000万円を超えている方は、法人成りを決める前に、消費税も含めて税理士に試算してもらうのがおすすめです。

相談するときは、次の3つを用意しておくと話が早く進みます。

  • 直近2〜3年分の申告書(消費税も)
  • 今年の売上と経費の見込み
  • 会社に移す予定の資産のリスト

近くに知り合いの税理士がいない方は、税理士紹介サービスを使うと、条件に合う税理士を無料で紹介してもらえます。迷ったら、決める前に相談してみてください。

税理士の探し方については、税理士の探し方8選と失敗しない選び方5つ【2026年】でくわしく紹介しています。

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